新幹線でマカロンを

先日、北陸新幹線に乗る機会があった。私は、二人掛け窓側E席の指定を取っていたが、金沢行きの「はくたか」に上野駅から乗り込むと、通路側D席の若い女の子がテーブルを引き出して、早くも駅弁を広げていた。ビジネス客が多い東海道新幹線の下り列車では…

周遊きっぷより青春18きっぷを廃止しては

久々に日記を書こうと思うのは、「本業」の鉄道について、黙ってはいられない一大事だからである。先週金曜日(2月15日)にJR旅客6社からひっそりと発表された「周遊きっぷ」の廃止は、「反国鉄」が社是のJRグループも、ここまでやるか、という思い…

「文民統制」謬論に見る政治家の資質

森本敏・拓殖大学教授の防衛大臣就任をめぐり、いわゆる「文民統制」の観点から問題がある、との議論がある。「安全保障はズブの素人だが、これが本当のシビリアン・コントロール(文民統制)」と言い放った一川保夫元防衛大臣といい、文民統制に関する誤解…

どこよりも速い判例解説

昨年、韓国の最高裁判所は、韓国政府が、いわゆる「従軍慰安婦」問題について、日本側に損害賠償を求めないのは(韓国の)憲法違反であるという判決を出した。韓国の法令については関知しないが、韓国最高裁の判決は、1965年に締結された、韓国との請求権・…

ドイツ語あれこれ

私の中高時代の友人たちはおそらく知っているように、私は、ドイツ語が好きである。というより、語学全般好きなのだが、とりわけ、ドイツ語に興味がある。 中学1年のころ、ドイツ第三帝国(いわゆるナチス・ドイツ)に興味を持ち、アドルフ・ヒトラーの『我が…

明けましておめでとうございます

今更、屋上屋を架してもどうかとは思うものの、礼儀として言わねばならないだろう。 それにしても、習慣とは恐ろしいものだ。以前、毎日のように日記を書いていたころは、書き漏らす日があると気持ち悪かったのに、いったん書かなくなると、ひどく筆が重くな…

公共交通壊滅元年

いささか旧聞に属するが、何としても書いておかねばならない。昨年末、政府(財務省・国土交通省)は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定に係る利益剰余金について、総額約1兆4000億円の内、1兆2000億円を来年度中に国庫納付させることを決めた…

モロッコ旅行記・第2日

2010年7月22日(木) 「首都ラバトから古都マラケシュへ」モロッコは、1956年までフランスの保護領であったため、フランスの影響が色濃い(保護領とは、要するに「植民地」であるが、東アジアのどこかの国のように、フランスがモロッコに謝罪したとかいう話…

モロッコ旅行記・第1日

7月21日(水) 福岡→成田→パリ→ラバト(モロッコ)JAL405便は、沈まぬ太陽とともに、シベリア上空を、西へ、西へと飛び、パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港に着いた。 すぐに、エールフランス便に乗り継ぐ。搭乗待合室には、いる、いる。頭にスカーフを巻…

モロッコへの道

今年も、夏休みを2週間取れることになった。 上司が、夏休み時期を相互に調整するペアを指定してくれ、「夏休みは連続2週間、必ず取ること」と厳命してくれるのだから、これほどありがたい話はない。普段は、上司の命に背くこともある私だが、この言い付けに…

小呂島オフレール紀行

先週土曜日、休みが取れたので、どこかへ行こうと思った。 休みの日に、私が鉄道に乗りに出かけるのは珍しくもないが、今回は、一風変わったところへ出かけてきた。 その目的地とは、玄界灘に浮かぶ「小呂島」(おろのしま)である。 この島の名前を聞いて、…

もう許さない!高速道路政策の無定見

もはや、理解不能である。民主党政権の「指揮官不在」ぶりは目に余るが、その最たるものの一つが、高速道路政策である。長年、我が国の高速道路は、旧日本道路公団が建設主体となって整備を進めてきた。その結果、高速道路未整備地域は、今も、ごく一部には…

福岡市民になりました

3月25日、旧職場で配置換の辞令を受け取った私は、その足で福岡に来て、官舎への入居手続を済ませた。私に割り当てられた官舎は、福岡市城南区の住宅街にある。間取りは、一人暮らしには十分すぎる3DKで、家賃は月額約1万2000円。役所からは直線距離で4キロ…

パイロットと検事と

かなり前のことになるが、小欄で、ドラマの再放送の魅力について書いたことがある。http://d.hatena.ne.jp/stationmaster/20051123/1132748673/昨夜、テレビでやっていた映画「ハッピーフライト」を見ていると、同じく飛行機を舞台にしたドラマ「GOOD LUCK!!…

国鉄(わたくし)は,話したい。

思っていたことが実現するのは嬉しいが,先を越されるとおもしろくない。ヌエのような思いだが,そう思う。小欄では,現在試行中の「高速道路1000円」施策の始まる前から,高速道路料金の値下げは,環境政策,交通政策に逆行する愚策であって,国益に反する…

沈みゆく太陽

まだ決まっていない段階で書くのもどうかと思うが,JALの行く末を案じると,書かずにはいられない。経営再建中のJALが,アメリカのデルタ航空,フランス・オランダのエールフランスKLMなど,外資系航空会社への第三者割当増資を検討している,と一斉に報じら…

交代

「政権交代」が時候のあいさつのように飛び交った今日,もう一つの「交代」劇が行われた。JR西日本の山崎正夫社長が今日限りで退任され(取締役としては残られる),佐々木隆之新社長が就任された。山崎さんが社長に就任されたのは,福知山線列車事故翌年の…

思い出の恋

読者各位は,覚えておられるだろうか。「眉毛師さん」のことを。 2007年1月23日付け小欄「さようなら,眉毛師さん」 http://d.hatena.ne.jp/stationmaster/20070123/1169544678 同年3月20日付け「いつの日か,きっと―。」 http://d.hatena.ne.jp/stationmast…

決断

「その時,歴史が動いた」ふうに我が人生を振り返れば,これまでの「その時」は,平成16年4月2日であった。当時,就職活動をしていたJR東海の内定を受けず,検察官をめざすことを決意した日である。私を推薦してくれたJR東海のリクルーターは,「人生の決断…

壁と卵―村上春樹再評価

高校生の時だったと思うが,国語(現代文)の授業で,村上春樹の作品を読んだ。作品名は覚えていないが,何を言いたいのかさっぱり理解できず,以来,私は,村上春樹の作品に群がる人たちが不思議でならなかった。「分かりやすい文章」を書くのが最も重要な…

愛の鞭

1か月ほど前のことだが,最高裁で,こんな判決が出た。最高裁第三小法廷平成21年4月28日判決 「小学校の教員が,女子数人を蹴るなどの悪ふざけをした2年生の男子を追い掛けて捕まえ,胸元をつかんで壁に押し当て,大声で叱った行為が,その目的,態様,継続…

さようなら「鉄道連絡船」

JRグループ旅客6社の運送約款である「旅客営業規則」が,4月1日付けで,ささやかだが,ほぼ全編にわたる改正が行われた。あちこちの条文にあった「列車等」という用語から「等」の一文字が削られ,「列車」に改められたのだ。参照・JRグループ旅客営業規則(…

今こそ対北外交交渉を

タイトルだけを見て,不思議に思われた方は多いだろう。特に,ふだんの私の主張をよくご存じの各位にすれば,転向したのかと疑われたかもしれない。 しかし,決して,転向したわけではない。それというのも,北朝鮮の核・ミサイル開発に対して,我が国が採る…

リーダーたちの言葉2009

小欄では,毎年,JRグループ本州3社(東日本・東海・西日本)の入社式におけるトップの一言を紹介するのが恒例になりつつある。今年も,本州3社とJR貨物の社長挨拶(JR東海は葛西会長も含む)を紹介しよう。たかが挨拶,されど挨拶。短い一言の中に,国鉄改…

笑顔の別れ

先日,秋田修習時代の同期で東京にいる面々が,大阪に異動する私の壮行会を開いてくれた。全国転勤は,宮仕えの宿命であり,これから,出会いと別れを繰り返していくことになる。修習の同期とは,「今生の別れ」というわけではないけれど,しばらく会えなく…

「高速道路1000円」は国益に反する

「百年に一度」という大げさな修飾語を付ければ,景気対策として何をしてもいいと思っているのか,あるいは総選挙の票目当てか知らぬが,先般,高速道路の郊外料金を土曜・休日に限り一律1000円とする法律が成立した。「定額給付金」に引き続き,むちゃくち…

天下の愚策・定額給付金

国会で,もめにもめた「定額給付金」の支給が,一部の自治体から始まった。 経済のことは私にはよく分からないが,よくも2兆円も使って,天下の愚策に打って出たものだ。 思えば,ちょうど10年前の平成11年の今ごろ,当時,連立与党に入りたての公明党の発案…

I'd rather be flying.

JALから,こんなリリースが出た。 「空がもっと近くなる。"JALケータイ"登場」 http://www.jal.co.jp/k-tai/pr/change/full/ この携帯,「欲しい!」と思ってしまうのは,私だけではないだろう。 JALとauのコラボレーションに対抗して,ソフトバンクから,「…

自由で公正な国際社会をめざして

「戦争と平和の法」として,国家間関係を規律する近代国際法が生まれたのは,17世紀に遡る。以来,国際法は,国家間関係の究極の発現形態である戦争の歴史とともに歩んできた。 国内に通用する法律は,立法者(議会)が作り,その最終的な解釈・適用は,司法…

その時,歴史が動いた

ご承知のように,今年5月から,裁判員裁判がスタートする。「サイバンインコ」なるキャラクターまで登場して,広報に余念がない。裁判員制度の施行を見据えて,検察庁では,裁判員裁判での公判維持のシミュレーションを重ねている。具体的内容については書け…