くたばれ神戸空港

来年2月16日、ポートアイランド沖合に、神戸空港(以下UKBという)が開港する。とかく地方空港は地元のエゴの象徴だが(石川県が、航空便の「搭乗率保証」までして造った能登空港という、絶望的な空港まである)、UKBも神戸市のエゴの塊だ。

大阪国際空港(ITM)の騒音が社会問題となり、いわゆる「関西新空港」構想が出てきた1970年代、候補地に挙がったのは、神戸市沖と、現在の関西国際空港KIX)がある泉州沖だった。当時、六甲山を切り開き、その土砂で海を埋め立て、住宅地造成を進めていた「神戸市株式会社」(←もちろん、皮肉である)は、空港ができると住宅地としての価値が下がるので、関西新空港に猛反対した。こうして、いったんは神戸市沖に決まりかけた関西新空港は、不便極まりない泉州沖に建設されることとなった。

時は流れ、バブルは崩壊、「神戸市方式」といわれた住宅開発も時代遅れとなった。かつて、血相を変えて空港建設に反対した神戸市は、舌の根も乾かぬうちに、「神戸に空港を」などと言い出した。

大阪湾をはさんで20キロ先には、すでにKIXがあり、すぐ北東にはITMがあるのに、である。こうして、世界でも稀に見る、「航空過密地帯」が現出。それだけではない。神戸の北には六甲山脈があり、離発着ルートには使えない。南は、KIXのルートと重なる。

結果、UKBへの航空機は、明石沖から、海上を東進してアプローチ、出発機は、離陸後しばらく海上の低空飛行を続け(高度を上げるとKIXルートとぶつかる)、明石沖まで向かうことになった。パイロットは、神経をすり減らすこと必至である。

…まあ、なんだかんだ言って、三宮から16分などという一等地に空港を造られては、新神戸からの新幹線に脅威となるから反対、なのですが(笑)