2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

刑法と国際法の対話

「さらば、京都!」の卒業式から、ちょうど1週間。 まだ、「リバイバル」(記念復活)をするにはいささか早すぎるが、本学法学研究科の高山教授(刑法)主催で、国連薬物犯罪事務所テロ防止部長のJean-Paul Laborde氏による、“The impact of the latest acti…

四十年裁判のその先へ

本当は、能登半島地震の被災者救助における自衛隊等の役割について考察したかったのだが、「画期的」で、「とんでもない」最高裁判決が出たので、先に、その紹介をする。 最高裁平成19年3月27日第三小法廷判決 要旨 「1 原告として確定されるべき者が,訴訟…

さらば、京都!

あっという間の、12年だった。 平成7年4月以来、中高6年・学部4年・院2年にわたった京都通いの日々が、きょう、幕を閉じた。 目を閉じていても、走行音と、体にかかる重力とで、どこを走っているかわかるまでになった、阪急京都線。その電車で、毎朝、桂川を…

ロースクール生向け追記

行政法の「余目町個室付浴場事件」(最判昭和53.5.26民集32巻3号689頁)を彷彿させる事件が、北海道の北辺の町で発生していたようです。事例判例ですが、他者の「営業の自由」を侵害する行為について、不法行為の成立が認められました。 最高裁平成19年3月20…

いつの日か、きっと―。

1月23日付けの日記「さよなら、眉毛師さん」で紹介した(http://d.hatena.ne.jp/stationmaster/20070123/1169544678参照)美容師さんが、きょう、退職される。週末に法科大学院の卒業式を控え、この日に合わせて、髪を切りに行ってきた。カット中、私はあま…

比較不能な価値の迷路

きょう・3月18日は、JRグループのダイヤ改正の日である。 今回の改正は、どちらかというと地味なもので、地域的な輸送改善・効率化が中心だが、全国的に進展するものが一つある。 それは、「特急列車の全面禁煙化」である。 JR北海道・JR東日本では、新幹線…

危機管理

「ついにやったか―」。高知空港で発生した、ANAグループのボンバルディアDHC8-Q400型機(以下、Q400という)の緊急着陸事案を聞いて、咄嗟にそう思った。Q400は、老朽化した国産旅客機・YS11(昨年9月全面引退)等の置き換えを図るため、JAL・ANA両グループ…

行政法な一日

毎年、この時期になると、「行政法」を思い出す。それは、「確定申告」の季節だからである。私の場合、申告する義務はないが、すでに源泉徴収されている分を取り返すための、還付申告である。先月初め、税務署から申告書が届き、早くしなければ、と思いつつ…

不当利得

いわゆる「失念株」の処理に絡み、興味深い最高裁判決が出ました。 不当利得の制度は,ある人の財産的利得が法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に,法律が,公平の観念に基づいて,受益者にその利得の返還義務を負担させるものである(最高裁昭和45年…

3時間のロシア

見慣れないアドレスから、パソコンにメールが届いた。 読んでみると、1年前、イルクーツクからモスクワに向かうシベリア鉄道の車内で出会った、大学生(日本人)のS君からだった。たしか、慶応の理工学部2回生(当時)だったと思う。モスクワ到着前夜は、食…