就活・運・恋愛

この春就活をしている友人たちから、戦況報告が入ってくる。理系なので研究内容をよくは知らないが、掃いて捨てるほどいる京大生のなかでも、優秀な面々だと思っている。

ところが、である。はっきり言って、善戦しているとは言いがたい。身を削る思いで、報告を待っている。

経験したことのない人にはわからないだろうが、就活は、能力より「運」に左右される。非常に人気の高いJR東海に私が最後まで残れたのも、実力以上に、担当のリクルーターとの「相性」が大きかったと思う。

JR西日本では、2人目のリクルーターと「喧嘩」し、案の定落とされた。今から思えば、「なんであんなこと言ったんだろう」と思うが、もし、違うリクルーターと当たっていれば、結果は違ったかもしれない。

2年前、ロースクールを受けるべきか迷いつつ始めた就活。最初は、就職するならJR西日本、と思っていた。JR東海は、JR西日本の「練習」だった。実際、エントリーシートも、JR東海を先に書き、さらに推敲して、JR西日本のを書き上げた。

どうしてあの時(忘れもしない、平成16年4月2日)、JR東海に「行きます」と言わなかったのか。「人生の決断には、覚悟も必要だよ」と、言われていたのに。

選考が進むうち、JR東海がどんどん好きになっていたのに、心の奥底のJR西日本への未練が、最後の最後で邪魔をした。

そして、今。新幹線を見る度に、心が「キュン」となるのは、いまだに治っていない。未練を引きずって、いいことはないのだ。自戒を込めて。