お付き合い

先般「セルビア・モンテネグロ」から独立した「モンテネグロ」と、我が国が、外交関係を開設したらしい。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20060724_193130.html

「外交関係」とは、日常用語でいう「国交」のこと。国と国とのお付き合い、と考えればよい。

ところで、上ページには、「参考」として、「6月16日に国家承認」とある。「国家承認」とは、国際法上の概念である。その法的性質には争いがあるが、現在の多数説は、当該国が「国家」の要件を満たす限り国家性は認められ、他国による「国家承認」は、「宣言的効果」にとどまるとする(創設的効果説の否定)。

難しい話はともかくとして、この「国家承認」と「外交関係」、そして「国交」との関係が、どうもよくわからない。

例えば、我が国は北朝鮮とは「国交」がないが、北朝鮮に関しては、我が国は、現在に至るまで、法的にも事実上も「国家承認」をしていない。つまり、未承認国家であり、かつ、「外交関係」もないのである。

そうかと思えば、F1開催でも有名なモナコ公国は、国連にも加盟するれっきとした独立国だが、我が国との間に「外交関係」はない。だが、北朝鮮のように、未承認国家というわけではない。

そうすると、「国交」とは、「国家承認」によって成立するのかと思うが、それでは、あえて「外交関係開設」などと宣言する意味がなくなるし、「国交」の語義からも外れすぎる。我が国にとっては、北朝鮮など、「法的に存在しない」と言い切ってもいいような気もするが、かたや北朝鮮にとっては、我が国やアメリカ合衆国が法的に「無」とは、とてもいえないだろう。

考えれば考えるほど、謎である。