永遠の青春・平成9年

時速300キロ、普通鉄道としては世界最速の「500系のぞみ」が、来夏で東海道新幹線から引退することとなった。300キロの本領を発揮する山陽区間の運用は残るが、花形列車である東京−博多間の「のぞみ」で走る姿は、見られなくなる。

500系が鮮烈なデビューを飾ったのは、平成9年(1997年)である。以来、わずか10年で第一線を退く潔さは、「散る桜 残る桜も 散る桜」の日本人の美意識に訴える。

平成9年は、JRグループ発足からちょうど10年、日本の鉄道地図が激変した1年だった。思いつくままに挙げてみても、JR東西線開業・秋田新幹線開業・長野新幹線開業(信越本線碓氷峠」廃止)・京都地下鉄東西線開業(京阪京津線一部廃止)…。私にとっても、本格的に一人旅を始めたのが、この年の3月。「人生最も熱い1年は」と問われれば、迷わず平成9年と答える。

東海道引退前に、東京−博多間を500系「のぞみ」のグリーン車で乗り通すこととしよう。