漠然とした不安

先日、同じく司法試験を控えたある友人が、日記で「不安」を綴っていた。

ここで、「頑張れ」と声をかけるのは容易いが、かえってプレッシャーとなりかねない言葉である。けだし、それなりに難しい試験であり、不安なのは、誰しも同じだからだ。

ここは、発想を転換する必要がある。私はこういうとき、"Relax and Enjoy Your Try"という言葉を思い出す。試験は、障害物競走にたとえれば、ハードルの一つにすぎず、決してゴールではない。将来への一里塚にすぎない。

かつて、芥川龍之介は、「この漠然とした不安」という遺書を残して、自殺した。「漠然とした不安」というのは、実にたちが悪いものである。不安の雲に視界を覆われていては、適確な判断ができない。上を向けば、眩しい青空が広がっているというのに。

「各員、人事を尽くせ。そして、天命を待て」