旅・クライマックスシリーズ

司法修習生に採用されると、無許可での海外渡航はできなくなる。そうでなくとも、勉強で忙しく、長期間の旅行など、夢のまた夢だろう。

そこで、今のうちに、行きたいところに行っておくことにした。

まず、今週末、九州の島原鉄道(来年3月、一部区間廃線)と、豊肥本線(熊本−阿蘇間)で運転される臨時列車の取材を兼ねて、周遊券を買い、九州全域を5日間旅することにした。九州は、9年前に、鉄道で一通り回ったが、ローカルバスを乗り継がねばならないような奥地は、手付かずだった。いつものように、名もなき小さな町を歩くのはもちろん、第一級観光地の阿蘇山にも行ってみようと思っている。1ヵ月ほど前に、テレビの旅番組で阿蘇の火口が紹介されていて、「この目で見たい!」と思ったのだ。

そして、やはり、海外にも行きたい。前回の南アフリカ3週間の旅行記は鋭意執筆中であるが、そろそろ、次なる旅への食指が動く。

この時季、締めくくりの旅にふさわしい国―。真っ先に頭に浮かんだのは、フランスだった。さっそく、10月29日発・JAL便の予約を入れた私は、「トーマスクック時刻表」を買ってきた。3日間ほど、フランス各地を鉄道で回り、2日間は、ルーブルとオルセーで「芸術の秋」を堪能しようと思っている。

JRで稼いだお金は、すべて消えそうである。