卒業写真

法科大学院では、学部と違い「必修科目」が中心で、教室の席まで決まっていて、毎回出欠をとる、ということは、これまでにも書いてきた。要するに、学生を「子供扱い」しているわけである。小学校ではあるまいに。

もう一つ驚くのは、「卒業アルバム」まであることである。大学院にもなって、そんなものを作ると知った時は、馬鹿馬鹿しくて、開いた口が塞がらなかった。

そんな斜に構えた私が、クラスのアルバム委員を拝命しているのだから、皮肉なものだ。「写真」が趣味ということがばれ、ぜひにと頼まれれば、自尊心もくすぐられる。もっとも、私に声をかけたクラス委員君にすれば、格好のカモが見つかった、というようなものだろうが。

引き受けた以上は、いいものを作りたい。実は、私は、高校でもアルバム委員を務めた。他の委員の担当するページのレイアウトを勝手に変更して、その委員に「編集後記」で嫌味を書かれたり(「委員には身勝手な奴もいた」らしい)、顧問の先生(担任団)と一緒になって、委員長(生徒)を「吊るし上げ」たり、喧喧諤諤、大いにもめもしたが、忙しかったはずの高3の秋に、連日、夜まで職員室の「編集部」に残って作業したのは、楽しい思い出しかない。

さすがに、高校の卒業アルバムとは違って、あまり(というより、全く)ネタに走ることは許されないようだが、私が委員を務めたという痕跡だけは、絶対に残してやろうと心に決めている。