わたしが、わたしになれるところ。

昨日は、津山三十人殺しの現場を歩いた後、因美線を北上して鳥取に出て、鳥取砂丘を訪れた。砂丘には、大学入学前、高校時代の友達と来たことがあり、童心に帰ってはしゃぎ回った。今回は、連休中とあって観光客が多く、静かに物思いに耽りたい私には、いささか場違いであった。

鳥取の宿がとれなかったので、昨夜は、浜坂に移動し、ユースホステルに泊まった。ドミトリー(相部屋)形式の宿、私は好きではないのだが、橋の下で寝るわけにもゆかぬから、仕方がない。

長居は無用、と思ったわけではないが、浜坂639発の「はまかぜ2号」に乗る。「はまかぜ」は、大阪と香住・浜坂・鳥取播但線経由で結ぶ特急で、気動車である。電車に乗るか、気動車か。同じ料金を払うなら、断然、気動車だ。

浜坂を出るとすぐに、餘部鉄橋を通過する。明治の開業以来のトレッスル橋だが、コンクリート橋への架け替えが決まった(私から年賀状を受け取られる各位は、平成17年の年賀状を参照)。海岸の「お立ち台」から、数人のカメラマンが、望遠レンズでこちらを狙っている。

和田山を出た「はまかぜ2号」は、エンジンを唸らせ、喘ぎながら生野の峠を越えた。息を吹き返して、変速機を「直結」段に投入、小駅をすっ飛ばしてゆく走りに、陶酔感を覚える。

写真は、鳥取砂丘