授業評価

ロースクールでは、「授業評価」という名の授業アンケートがある。授業のアンケートなんて、小学校の時の塾以来である。昨年は、半期の授業が終わるタイミングだったのだが、今年は、結果を迅速に反映させる趣旨か、開講1ヵ月のこの時期にある。

私はこれに回答する度、嫌な気分になる。高い授業料を払っているのだから、教員は学生の声に応えるべきだ、そういう発想になじめない。

ロースクールが、あらゆる面で学生を子供扱いしているのも問題だが、そもそも、大学の先生の授業を「評価」するとは、どういうことかと思う。

はっきり言えば、眠くてわかりにくい授業でも、「わからない」のを先生のせいにするのは、間違っている。果敢に食いついて、質問に行って、知識を「盗んで」やるところに、大学の授業の極意がある。

だいたい、大学の授業ごときをわからないと言っているようでは、社会の森羅万象を理解できまい(私が授業を完璧に理解しているわけではないので、念のため)。それも、わけのわからぬ人間の相手をして飯を食う法律家になろうとする者が!

その意味で、昨年、刑法の先生がおっしゃった一言は、しごく名言である。

「アンケートに何と書かれても、僕の授業は『改善の余地なし』と思ってますので」