ジム

夕方、ロースクールの友人2人と百万遍の交差点で立ち話していたら、外国人の女の子から

「京大の学生ですか?」

と、声をかけられた。

わが方3人顔を見合わせ、なにかの勧誘かと思いながらも、

「そうですが」

先方は、

「京大の『事務』ってどこですか?」

と、言った。

京大の事務?本部のことか?教務掛なら、学部によっても違うし、なにより、もう執務時間は終了している。
…などと、わが方で協議。

「どういう用事で?」

と、尋ねてみると、

「友達と待ち合わせで…」

という趣旨のことを、言った。

メールがあるというので、見せてもらった。携帯の画面を覗き込むと、そこには「事務」のジもなかった。かわりに、「体育館」とある。

体育館なら、目と鼻の先だ。案内しかけて、はたと気づいた。

「あ、ひょっとして、ジムって、"administration office"じゃなくて、"gymnasium"のこと?」

「そうです、はい。Gymのことです」

質問が日本語だったので、「ジム」を、わが方は3人とも「事務」と変換したから、訳がわからなくなったわけだ。
これなら、最初から英語で言ってくれたほうが早かった。