Passion for Excellence

JALグループが、今秋のJALインターナショナル(旧JAL)・JALジャパン(旧JAS)完全統合を記念し、10月1日〜5日まで、国内全路線8000円均一の「スペシャル・バーゲンフェア」を発表したのが、14日。

「ほぅ」と思っていたら、どういう理由をこじつけたか知らぬが、今度はANAも、全く同じ期間に、7700円均一の「超割スペシャル」を設定してきた。

やれやれ、また馬鹿な「競争」が始まった、と思うやいなや、JALも8000円から7700円に追随すると知って、驚きあきれた。

なんたる無為無策!経営戦略も何もない、「行き当たりばったり」で、JALファンとして憤りを覚える。こんなことをしている限り、JALは、永遠にJRグループに勝てないに違いない。

史上空前の巨額の赤字に苦しむJALを尻目に、JRグループの本州3社は、快走を続ける。とくに、東海道新幹線は、航空の猛攻をかわし、2年連続の増送を達成している。

やれマイレージだ、格安運賃だと大騒ぎする航空会社を、JR東海はどう見ているのか。象徴的な一言がある。
JR東海会長の葛西さんは、品川駅開業(平成15年10月)時、新幹線へのマイレージ制度導入の可能性を問われ、
マイレージは絶対に導入しない。あんなものは、企業にとっての『麻薬』である」
と、切り捨てた。

なんたる達見―。私は、葛西さんに惚れ込んだ。

今年2月の神戸空港開港に際しては、東京−神戸間9000円が売り物のスカイマークに、JALANAも追随したことについて、JR東海の松本社長は、
「いいんじゃないですか?航空会社さんも、消耗戦で大変でしょうね」
と、気遣ってみせた。まさに王者の風格さえ感じられる。葛西さん・松本さんは、日本の大動脈・東海道新幹線を運営するにふさわしい経営者だ。

JRグループは、地域「独占」であり、競争がないからだ、という、一見もっともらしい意見もある。しかし、それは間違いである。

JR各社は、たしかに、市場においては競合しないが、互いに「優越性」を競い合っているのだ。実際、技術面でも営業面でも、各社のライバル意識は、相当なものである。

優越性への情熱―。JRグループが、「国鉄改革」の理念を忘れず、明日へ向かって走り続ける限り、これからも世界の鉄道をリードしてゆくに違いない。

最後に、再び、葛西さんのお言葉。

「われわれは、片時も立ち止まってはならない。安全・安定・快適な高速鉄道こそ、われわれの存在意義そのものである」