引受停止

日本郵政公社は、昨日から、レバノン宛国際郵便物の引き受けを停止した。ベイルート国際空港が、イスラエルの攻撃を受けて閉鎖され、配達できない、とレバノン郵政庁から通知があったらしい。

思うのだが、イスラエルというのは、ある意味、すごい国である。世界中で迫害され続けてきたユダヤ人のシオニズムは理解できなくはないし、「国防」に関しての国民の意識レベルの高さは、見習うべきところもある。

しかし、先週から続くレバノンへの攻撃は、武力不行使原則・不干渉義務に違反し、明白な国際法違反である。レバノンが、過激派組織ヒズボラを有効に取り締まらないからといって、他国の領域主権侵害が正当化されるわけはない。

少し前だが、ロシアのプーチン大統領は、イラクでのロシア外交官殺害の報復として、ロシアの情報機関に、「実行犯を見つけ出し、殺害せよ」という命令を出した。これも、すごい話だ。

3年前、同じイラクで、わが国の奥克彦大使らがイスラーム過激派に殺害された事件は、記憶に新しい。そのとき、小泉首相が、「犯人を殺害せよ」などと指示したとしたら、この国は、上を下への大騒ぎになったことだろう。

日本は、イスラエルやロシアのように、堂々と国際法を無視するようなことはすべきでないが、国際社会には、こういう身勝手な国もあるということは、認識しておくほうがよい。とくに、北東アジアには、「公海自由」を濫用し、事前警告もなしに、日本海にミサイルを7発も打ち込む迷惑千万な隣人もいるのだ。