雷鳴

先程、わが家のすぐ近く(神戸地裁尼崎支部付近)に雷が落ち、瞬間的に(1ないし2秒間くらい)停電した。

ちょうど、パソコンで、エクスターンの課題レポートを仕上げているところだったので、万事休す。と思ったが、バッテリーをはさんでいるおかげで、真っ暗の部屋の中で、パソコンだけ耐えてくれた。稼動しているのが奇跡とも思える齢6年目のパソコン(Windows Me)なのに。

ところで、そのパソコンはA4ノートで、エクスターン先まで持っていくには、いかにも重い。そこで、海外に逃亡する前に、JR大阪駅前の某量販店で、B5サイズの新型機(NECPC-LA500FDの展示品)の売買契約を結んできた。15万8000円。うち、10万円は、「真野家中央銀行」からの無担保・無利子の借り入れで賄った(旅行費用10万円とあわせて、無利子流動負債は20万円に拡大)。

展示品であるから、リカバリ・クリーニング作業等を経て配送されるはずだったのだが、帰国してもまだ届いていない。エクスターンに間に合わないようでは、意味がない。早速、店に電話して、事情を聞いた。

すると、電源が落ちる不具合が見つかり、修理中だという。修理してくれるのは結構だが、使えないのでは契約の目的が達せられない。別に、契約を解除してもよかったのだが、店の責任者を電話口に呼び出し、交渉を開始。

法律的には、今回のパソコン売買契約は、現品限りの展示品なので、「特定物売買」といい、契約当時隠れた瑕疵(欠陥)があった場合、売主は、民法570条に基づき、「瑕疵担保責任」を負う。瑕疵担保責任の賠償範囲をめぐっては、民法学説上難しい議論があるので、ここでは触れないが、私は、つぎのように主張した。

約定の納期から1週間も遅れるようでは、パソコンを買った意味がなくなる。そうでなくとも、その期間中、パソコンを使えないことによる損害を、どうして私が負担しなければならないのか。

相手方は、これに対し、
「当方の義務は、パソコンを修理して引き渡すところで尽き、納期は保証したものではない」
などと、抵抗の構えを見せた(ちなみに、瑕疵担保責任からは、瑕疵の修補を請求する権利は、本来私にはない)。

そこで、なおもひとしきり「演説」。法律的にはアヤシイこともいろいろ言ったような気がするが、ついに相手が折れた。

「わかりました、14万円でご提供させていただきます。いかがですか?」

1週間引渡しが遅れるのと引き換えに、1万8000円安くなった。さらに、修理作業では、基盤を全面交換してくれるらしいので、事実上「新品」にもなる。私は、「いいでしょう」と、言った。

そのかわり、数日間、死ぬほど重いパソコンを携行することになっているのだが。