一夜明けて

昨日の日記について、mixiでいただいたコメントに対する返礼で、私は、こう書いた。「明日の産経は判決滅多切り、朝日は『判決マンセー』(それも、社説で)だろう」―。

予想は、的中した。

この事件を「社説」(産経は「主張」)で取り上げたのは、朝日・産経・読売。

朝日「国旗・国歌 『強制は違憲』の重み」
http://www.asahi.com/paper/editorial20060922.html

産経「君が代訴訟 公教育が成り立たぬ判決」
http://www.sankei.co.jp/news/060922/edi000.htm

読売「国旗・国歌訴訟 認識も論理もおかしな地裁判決」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060921ig90.htm

標題からもわかるように、判決に好意的なのは朝日だけで、産経・読売は批判的である。どういうわけか、思想的には朝日に近い日経・毎日が社説で取り上げなかったので、結果的に、朝日の「異常」ぶりが際立つ形となっている(いつものことだが)。

読売は、首相の靖国神社参拝については「賛成」から「反対」に転じたのだが、さすがにこの事件では、「保守の本道」を貫いてくれた。

さて、内容面についてだが、まず、朝日は「理解不能」と断ぜざるをえない。判決の論理をなぞっているだけで、なぜ、都教委による処分が違憲なのか、まったく理由を示していない。都合が悪いとすっとぼけ、最後に自らの主張だけは叫ぶという、「朝日」の体臭がムンムンするような社説である。

産経は、本件指導要領制定の趣旨などから、なぜ教師が通達に従わなければならないのか、一応の論証をしている。加えて、「日の丸、君が代は、第二次大戦が終わるまで、軍国主義思想の精神的支柱だった」という判示が、相当、頭にきているようで(それは私も同じだが)、この点でも判決を批判している。結果、どちらの論証もやや手薄になってしまっている。

読売は、おおむね、昨日の私の日記と同旨で、公教育のあるべき姿を論じている。

ところで、東京都は、控訴して争う方針だという。職務命令にすら従えない「左」巻きの先生たちを煽動するような判決を、放置しておいていいわけがないから、当然である。東京高裁の良識に期待したい。