名作アーカイブス『悪夢』

先日来、ワープロ専用機に眠っている秘蔵文書をパソコンに移しているところであるが、短編の表題作が新たに発掘された。

平成8年9月のある事件以降、私は一時期、「アナーキスト」(無政府主義者)になり、「復讐」を主題とする小説をいくつも書いた。『悪夢』は、その最後の作品で、平成9年1月に発表したものである。また、乱歩の影響を受けて書いた最後の作品でもある。

本作を最後に、私は、この手の小説を書くのをパタリとやめた。小説のかたちで、内に秘めた復讐心を「昇華」してしまったのだろう。

この年の5月、神戸の連続児童殺人事件が発生する(いわゆる「酒鬼薔薇聖斗」事件)。犯人からの挑戦状の「積年の大怨に流血の裁きを」「愚鈍な警察諸君、私を止めてみたまえ」という言葉、今でもよく覚えている。

そして、6月に捕まった下手人は、「14歳・中学3年生・A少年」、われわれと同い年だった。

『悪夢』
http://hp1.cyberstation.ne.jp/gca_gr/novel/akumu.htm

(注、一部に不適切な表現があるが、そのまま掲載した)