元日・夢うつつ

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年も、年賀状配達で新年を迎えた。勉強に専念しようか、という邪念も起こったけれど、結局昼まで寝て「実質半日」の毎日を過ごすよりは、昼間は郵便を配って走り回るほうが健康的だろう、と思った。

…というのは言い訳で、今年10月の民営化を控え、日本郵政公社として最後の「年賀特別郵便」事業に、参加しないという選択肢はなかった。思えば、私が初めて非常勤郵政事務官(いわゆる「ゆうメイト」)を拝命したのは平成13年度だが、この年は、旧郵政省が解体され、総務省郵政事業庁に改組された初年だった。

以来、年末年始だけとはいえ、郵政事業庁で2年、日本郵政公社になって4年、地元の「尼崎北郵便局」で勤務した。ご承知のように、この間、郵便局を取り巻く環境は目まぐるしく変化し、先行きに一抹の不安はあるが、(意義がまったく不明とはいえ)分割民営化が決定してしまった以上、いっそう活力ある郵便局を創っていってほしいと思う。
(どうでもよいが、下記のランキング表の全国18位参照
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/yubin/070101j201.html

なんの話かわからなくなったが、元日のきょうは、午前の年賀配達・午後の通常配達で、担当エリアを二巡した後、大阪天満宮へ初詣に出かけた。JRの駅のホームで電車を待ちながら、昭和62年4月1日の国鉄分割民営化から、今年でちょうど20年になるのだな、としみじみ思った。

国鉄が実施しているサービスは、全てそのまま引き継ぐ。国民に迷惑はかけない」というのが、当時の政府・自民党の公約だった。

しかるに、JRの現状はどうか。たしかに、新幹線はより速く、便利になり、都市圏の電車や駅コンコースは見違えるように綺麗になった。評価すべき点はあるが、一方で、旅客会社間にまたがって走る長距離列車はダイヤ改正の度にさみだれ式に削減され、多くの旅人から親しまれた「周遊券」制度も廃止された(平成10年3月)。

「現在の郵便局のサービスは維持する」と、政府・与党は言うけれども、それを制度的に担保するものは何一つない。ついにはJRと同じ道を辿るのではないか―。空いた207系電車の座席に腰を下ろし、そんなことを考えていた。

大阪天満宮の境内は、芋の子を洗うような混雑だったが、参拝客の列の後方から、賽銭を力任せに投げつける輩がいる。若者かと振り返れば、子供を連れた中年の父親までその調子である。彼らは、なんのために神社に来ているのか、と不快になる。

気を取り直し、心新たにして、境内を出た。帰りの電車の中で、物思いの続きに耽っていたら、目の前に座った若者が、鞄から1冊の本を取り出した。

「司法試験 短答肢別本・民法」と読めた。

私は、現実に引き戻された。