贅沢な悩み

以前にも書いたように、司法試験後、しばらく本邦を離れ、アフリカに逃亡する予定である。少し前まで、ケニアタンザニア方面を考えていたが、6月は雨季にあたるらしく、ただでさえマラリアが蔓延する国に、蚊が大発生する時季に乗り込むなど、「飛んで火に入る夏の虫」である。

そうすると、北半球とは季節が逆で、これから冬に向かう南半球が、冬好きの私にとって、ベストである。アフリカ南部・ジンバブエにある「ビクトリアの滝」は、ペルーのマチュピチュ遺跡、ロシアのシベリア鉄道を制覇してからは、「地球上で訪れたい場所ベスト1」だった。雨季が終わった頃で、流量も豊富だというから、さぞ見応えがあるだろう。

ビクトリアの滝で、ぼろぼろになった心身を癒し、ナミビアナミブ砂漠に心洗われ、アフリカ最南端・喜望峰(Cape of Good Hope)に立ち、輝ける未来に思いを馳せる―。なんと、素晴らしい旅になることだろう。

さて、アフリカへのアクセスだが、JALでいったんヨーロッパに飛び、ヨーロッパから先は、JALのマイルを使って、BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)の特典航空券に引き換え、南アに飛ぶ、というルートを計画していた。ところが、今年は、ヨーロッパまでの運賃が、高いようである。オフシーズンの6月なのに、10万円以上する。

そこで、同じくJALのマイルが使えるCX(キャセイ・パシフィック航空)で、香港経由で南アへ飛ぶというルートもある。特典交換に必要なマイルは、BAのヨーロッパ〜南ア往復が5万5000マイルなのに対し、CXの香港〜南ア往復(台湾発も可)だと、6万マイル。マイルは多少余計に必要だが、日本から香港または台湾までなら、4万円で済む。ヨーロッパとの差額は、6万円だ。

6万円といえば、私にとっては大金である。だが、プラス6万円でヨーロッパも味わえると考えると、お得でもある。一方の香港ルートも、追加運賃(マイル)不要で、開業したばかりの「台湾新幹線」に立ち寄れる、という、夢のようなオマケつきだ(もちろん、台湾新幹線じたいは別運賃)。

そんなことを、あれこれ悩みながら、机に向かう今日この頃である。