おめでとう、ソチ!

Поздравляю, Сочи! (パズドらヴリャーユ、ソチ! おめでとう、ソチ!)

2014年冬季オリンピックの開催地が、ロシア連邦クラスノダール地方(Краснодарский край)のソチに決まった。「ロシアフリーク」を自任する私としては、嬉しい限りである。

ソ連解体後、ロシアでは初めてのオリンピック開催となる。しかも、1980年のモスクワ五輪は、前年に発生したソ連軍のアフガニスタン侵攻に抗議し、わが国や合衆国をはじめとする西側諸国が軒並みボイコットしたので、名実ともに「ロシア初」といってよいだろう。

1990年代、ソ連崩壊後のロシアは、経済危機に見舞われた。通貨・ルーブルは暴落し、モスクワでも、市民はパンを求めて行列を作った。

2000年、「強いロシア」の復活を掲げて就任したプーチン大統領は、強いリーダーシップで、ロシア経済を立て直した。モスクワ都心には、高級ブランドショップが並び、東京を凌ぐ好景気に沸いている。ここ最近、暗黒のソ連時代に逆戻りしたかのような不穏な動きがあるが、五輪開催を契機に、正しい道を歩むことを期待したい。

モスクワ五輪から3年後の1983年、サハリン沖で、なんらかの原因で航空路を逸れた、ニューヨーク発ソウルゆきの大韓航空007便が、ソ連軍戦闘機に撃墜される事件が起きた。当初、ソ連は、撃墜の事実そのものを否定したが、ソ連軍の無線交信は、自衛隊稚内レーダーが傍受していた。

日米は、撃墜の決定的瞬間を国連安保理で公開する作戦に出るが、当時、キリル文字(ロシア語アルファベット)を入力できるコンピュータがなく、合衆国のメーカーに特注したという逸話がある。いまや、Windowsのパソコンで、キリル文字を難なく入力できてしまう。時代は、変わった。