よい子はせんろに入らない。

年間に3万人が自殺する日本では、「自殺」そのものがニュースになることは、あまりない。だが、昨日から今日にかけて、ニュースで報じられる「自殺」が、2件続いた(うち1件は「殺人」も含む)。

1件は、昨夜、東海道新幹線小田原駅で、通過中の「のぞみ」号に、あろうことかJR東海の社員が飛び込んだもの。もう1件は、白昼、東海道本線JR神戸線甲子園口駅で発生した、無理心中である。

◇2児抱えた母 飛び込んで死亡

9日午後2時45分ごろ、兵庫県西宮市のJR東海道線甲子園口駅下りホームで、神戸市灘区の会社員、中畑啓子さん(27)が長女りつ子ちゃん(3)と次女まき子ちゃん(1)の2人を抱きかかえて線路に転落した。3人は、同駅を通過中の米原加古川行きの下り快速電車(6両編成、乗客約350人)にひかれ即死。県警甲子園署は目撃証言などから無理心中の可能性が高いとみている。同線などで28本が運休、最大43分遅れ、約2万4000人に影響した。

調べでは、電車の運転士は「時速約100キロで運転中、ホームの中ほどから女性と手を引かれた子どもが線路に入るのが見え、非常ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と証言。ホームにいた駅員は「子どもを抱きかかえた女性がホームから飛び込んだ」と話しているという。

女性は夫(38)との4人家族。特に病気などの悩みごとはなかったといい、夫は同署の聴取に「朝はいつも通り見送ってくれた。思い当たるふしはない」と話しているという。
毎日新聞WEBより)

自殺を決意した人にとって、鉄道王国たる日本は、「天国」のようなものだろう。アフリカの某国のように、週3便くらいの列車しか走らないところでは、飛び込む前に「時刻表」を研究する必要があろうし、列車もせいぜい時速40キロ程度しか出さないから、機関士に急ブレーキをかけられると、助かってしまうかもしれない。

自殺する人は、それなりに悩んだ末、行動に出られるのであろうから、「生きていれば、きっといいことがあるよ」などと、言うつもりはない。ただ、一つだけ言っておきたい。

「鉄道に飛び込むのだけは、やめていただきたい」


(下記も併せて参照されたい)
「よい子はせんろに入らない」キャンペーンについて
http://jr-central.co.jp/co.nsf/news/nws2007629-143533