背水の陣

夕方、フランスから帰国して、きょうが11月5日であることに気づき、軽い眩暈を覚えた。もとより、竜宮城から還ってきたわけではないし、移動の多い旅だったから、旅行中も日付は意識していたはずだけれど、「そんなに日が経ったのか」と、改めて思った。

司法研修所から、現実に引き戻してくれる通知が届いていたせいもある。実務修習は、大きく分けて、刑事裁判・民事裁判・検察庁弁護士会の4つがあり、各修習地でさらに班分けされ、ローテーションでこなすことになっている。このうちの検察修習が早いクールにあるほうが、私のような検事任官志望者にとっては、有利とされる。実務修習は、見方を変えれば「就職活動」であり、指導係の検事に、早いうちから見てもらえるからである。

そういうわけで、多少なりとも順番を気にしていたのだが、残念ながら、検察修習は、最後の「第四クール」になってしまった。刑事裁判・弁護士会・民事裁判・検察庁の順である。これはまったくの運だし、嘆いても始まらないが、あまり嬉しいことではない。幸い、秋田は全体の人数が少なそうなので、なんとか挽回したいと思う。いや、挽回せねばなるまい。私の人生は、ヘラクレスの選択だと思って、運に見放された分、自らの努力で補うしかない。

フランスの記録は、また、明日。