死刑求刑

秋田県藤里町の連続児童殺害事件で、殺人などの罪に問われた畠山鈴香被告(34)の論告求刑公判が25日、秋田地裁(藤井俊郎裁判長)で開かれた。検察側は同被告について「冷酷非道で残虐。幼い2人の小学生を連続して殺害した。真摯(しんし)な反省を期待することはできず、矯正は不可能」と指摘。厳しい遺族感情にも触れ、死刑を求刑した。同日午後に弁護側が最終弁論を行い、結審する。判決は3月19日に言い渡される予定。

検察側は論告で、畠山被告は長女彩香ちゃん=当時(9つ)=に愛情を感じられず、疎ましく思っていたと指摘。「確定的殺意を持って殺害した」とし、彩香ちゃん転落時の記憶を失っていたとする弁護側の主張は「殺意を否認するための苦し紛れの弁解」と非難した。また、米山豪憲君=同(7つ)=殺害については「自己に向けられた彩香ちゃん殺害の疑いの目を他にそらす目的」とし、「完全責任能力は優に認定し得る」と断じた。弁護側はこれまでの公判で、彩香ちゃんについて、畠山被告の過失により誤って橋から転落したと主張。ショックで橋での記憶を失った畠山被告は、喪失感から衝動的に豪憲君を殺害したとし、心神耗弱を訴えている。

時事通信社

昨日(25日)は,各方面から「ニュース見たよ」と,メールをいただいた。ニュースでご覧になった方には改めていうまでもないが,他でもない,この事件である。

秋田は,朝から,10メートル先も見えないような猛烈な吹雪で,裁判所界隈(秋田市山王地区)の冬の風物詩「山王ブリザード」が吹き荒れるなかでの開廷となった。刑事裁判修習が始まったのが昨年の11月27日だったが,最初に傍聴した大型事件がこの事件で,昨日,第一クール最終日に傍聴したのが,この事件の論告求刑・弁論とは,因縁を感じる。

事件の具体的内容については書けないが,秋田に来た甲斐のある事件で,学ぶべきところが多々あった。第一クールが刑事裁判で,本当によかったと思う。

来週からは,弁護修習が始まる。