親中派論者に問う―それでも,中国が好きですか?

思い出すことがある。福田首相は,首相就任時,靖国神社に参拝するのかと問われ,こう答えた。

「お友達が嫌がることを,あなたはしますか。しないでしょう」

福田首相のいう「お友達」とは,つまりは中国・韓国のことだ。日本国内の「親中派」の方々は,拍手喝采したことだろう。

私は,この発言に強烈な違和感を覚えた。「お友達」が嫌がることをしてきたのは,他でもない,中国ではないか。

過去には,北京や上海の日本大使館総領事館を襲撃する暴動を黙認したばかりか,暴徒らをバスで丁重に送迎した。最近は,日本人学校で教材に使う地図帳を,中国が主張する国境線と違うという理由で「有害図書」扱いし,税関で没収してしまった。

東シナ海のガス田問題では,日中中間線にまたがる海域で独断的に開発・生産を開始し,貪欲にも日本側海域の「共同開発」を主張している。これほどわかりやすい,「俺のものは俺のもの,お前のものも俺のもの」主張があろうか。

そして,今回,いわゆる「毒ギョーザ」殺人未遂被疑事件で,中国の公安当局が開いた会見には,怒りを通り越し,驚き呆れた。

「毒物が中国国内で混入された可能性は,極めて小さい」のだそうだ。

だが,この発表は,結論ありきの虚偽のものと断言できる。会見を,中国中央テレビが生中継で伝えていたからだ。

インターネットにも規制をかけ,「報道の自由」の存在しない中国で,政府に都合の悪いニュースであれば,そもそも流れるはずがないのである。すなわち,会見は既定の「台本」どおり,中国人民が知るのは,常に「大本営発表」というわけだ。

こういう現実を前にしてもなお,中国を「お友達」だと思うのであろうか。パンダを贈られて,言うべきことも言えず,笑顔で握手することだけが,友達付き合いなのであろうか。