アーカイブス「尖閣諸島、わが領土を失うまい!」

新しく、ブログで「主張」を掲載する。「主張」は、私のホームページの論説コーナーだが、ブログを開設する前の記事で、かつ、大きな反響のあったものを「アーカイブス」として再掲することにしたい。なお、一部に不適切とされる表現もあるが、そのまま掲載する。

第一回の今回は、平成16年3月25日の「尖閣諸島、わが領土を失うまい!」を紹介する。

また不愉快きわまる事件が起きた。支那人と思われる三国人7人が、わが国固有の領土たる尖閣諸島魚釣島沖縄県石垣市)に不法上陸した事件である。被疑者は全員、沖縄県警の警察官によって、出入国管理及び難民認定法違反の現行犯で逮捕され、26日にも同容疑で那覇地方検察庁に送致される見込みである。

この事件をめぐり、怒りが収まらないのは、支那政府(共産党)の対応である。当初支那政府は、「冷静な対応」を呼びかけ、わが方としてもそれはもとより当然なのだが、25日になり、北京駐箚のわが国特命全権大使を呼びつけ、被疑者の「即時無条件釈放」を要求してきたのだ。

荒唐無稽なこの言いがかりは、さすが、「上に政策があれば、下には対策がある」、法治主義のイロハも理解していない後進国だけのことはあると、逆に感心させられる。怒りを通り越して、開いた口が塞がらないとは、このことである。

支那政府の主張は、尖閣諸島支那の領土であり、不法入国にはあたらないから、わが国が逮捕して拘束するのは「中国人民の『人権』抑圧」などという、逆立ちした論理である。本国では「中国人民」に「人権」の保障など、ないに等しいのに、尖閣諸島では「人権」が保障されるらしい。支那政府には、なかなかのユーモアの素質があると見る。

それはとにかく、尖閣諸島がわが国固有の領土であるという、国際法上の根拠を示しておく。一般に、尖閣諸島のような無主地の領有は、「先占」の法理により、「占有」という事実行為と「法的確信」によって成立する。わが国は、明治28年に、無人島であった尖閣諸島の領有を宣言し(法的確信)、以後、実際に日本人が入植し、鰹加工工場などを建設、戦前までは日本人が定住していた(占有)。

戦後、サンフランシスコ講和条約により、沖縄県アメリカ合衆国の施政下に置かれたが、占領中、尖閣諸島を射撃訓練場として使用した合衆国軍は、その地代を、沖縄の日本人に支払い続けていたのである。この事実は、支那の主張を論破するのに十分であろう。なぜなら、尖閣諸島支那領であるとするなら、沖縄が合衆国により事実上占領された段階で、連合国の一員として、異議を述べていたはずだからである。

そして、昭和43年に、国連アジア極東経済委員会により、東シナ海大陸棚資源調査が行われ、尖閣諸島周辺海域における豊富な海底石油資源の埋蔵可能性が報告されて以降、突如として、台湾、北京政府ともに領有を主張し始めた。事実関係は、台湾が正式に尖閣諸島の領有を主張したのが昭和46年4月、共産党政府も同年12月に初めて主権を宣言しており、位置的に近い台湾が先行し、北京も対抗上「追随」したという形である。

おもしろい例を挙げよう。台湾の国防研究院と中国地学研究所が出版した「世界地図集第1冊東亜諸国」(1965年10月初版)、および中華民国国定教科書「国民中学地理科教科書第4冊」(1970年1月初版)においては、尖閣諸島は「尖閣群島」という、日本の領土であることを前提とする呼称の下に、明らかに日本領として扱われている。その後、これらの地図集および教科書は、中華民国政府により「回収」され、尖閣諸島中華民国の領土とし、「釣魚台列嶼」という中国語の島嶼名を冠した改訂版が出版されているのだ。

さらに、平成14年、台湾の李登輝前総統は、注目すべき発言をした。尖閣諸島について、「台湾にも中国にも属さない(不屬於台灣,也不屬於中國)」、「日本の領土(釣魚台是日本的領土)」と明言し、与那国島上空に設定されている台湾の防空識別圏について、「総統就任時、軍に十分注意するよう指示した(擔任總統時就指示軍方要特別注意,不要侵犯日本領空)」とまで述べたのである。

この歴然たる事実をもって、何をかいわんや、である。いま、台湾は、総統選挙をめぐる混乱で、尖閣諸島どころではないと見るが、支那よ、いい加減にしろ。繰り返す。尖閣諸島は、わが国固有の領土である。あの島を、決して失うまい!