さらばJR西日本

7月末から、2ヵ月余りの間勤務したJR西日本お客様センターを、13日をもって退職した。

これまで、利用者として、また趣味者として、鉄道を見てきたが、自らが輸送サービスを提供する側に立って初めて、わかったことがある。「平凡は、非凡な努力の積み重ねである」ということだ。

日本の鉄道のダイヤの正確性は、間違いなく世界一である。電車が1分ないし2分遅れただけで、車掌はお詫びの放送を入れる。お客様も、「時刻表」を見られたり、お客様センターに問い合わされたりして、分単位で計画を立てられる。日本人にとって、「列車は定刻で走るのが当たり前」なのだ。

しかし、その陰には、定時運行を支える現場の社員の不断の努力がある。輸送計画から始まり、車両や施設の保守点検、運行管理にとどまらず、「飛び込み自殺」対策まで、鉄道会社が手がけることは、実に幅広い。自然災害や飛び込みのような、鉄道会社に帰責事由のない列車の遅れに対しても、お客様からの苦情は殺到する。それは、鉄道への信頼の大きさの裏返しでもある。

このほか、ソフト面でのサービス向上は、永遠の課題である。率直に言って、お客様から寄せられる苦情には、理不尽なものもある。不正乗車や不当要求に厳正に対処するのは当然として、その一方で、一歩でもお客様のニーズに近づく努力は不可欠である。

再び、私は、一利用者に戻る。きょう10月14日は、「鉄道の日」である。