角田さんへの弔辞に代えて

JR西日本の初代社長を務めた角田達郎(つのだ・たつお)さんが、亡くなられた。角田さんは、国鉄ではなく、旧運輸省の出身だったが、各現場を回り、「お客さまに挨拶しろ!」と言い続けた。労使関係が極度に悪化した国鉄末期、お客さまに対しても仏頂面の職員が少なくなかった。

新生JR西日本は、角田社長の下、「ハート&アクション」をキャッチフレーズに(この言葉、いつの間にか使われなくなった)、「サービス業」意識を徹底させた。これは、大阪圏「アーバンネットワーク」の成功の原動力となった。

ご承知のように、いまJR西日本は、逆境の真っ只中にある。角田さんは、昨年6月、顧問を最後にJR西日本の役職からは退いていたが、JR西日本改革の行方を見届けられず、心残りであったろう。もう一度、生まれ変わったJR西日本を、見せていただきたい。