秋田での一週間

秋田に赴任して、一週間が経った。なんとか、生活基盤を確立し、名実ともに「秋田市民」になりつつある。

全国各地に散らばった同期の日記を読んでいると、修習の内容・生活面ともに大差ないようだが、札幌は雪、広島ではソフトボールをしたと聞くと、冷たい雨に降り込められた秋田の週末を、恨めしくも思う。今日は、同期の家にお邪魔して、インターネットの設定の手伝いをしたくらいである。

ところで、海外を旅して、強く感じるのは、「アイデンティティ」の重要性である。よく、外国にかぶれてしまって、日本の悪口ばかり言うようになる人がいるが、そういう人は、実に哀れだと思う。文化の違いを理解することは、自らを支える土台なしには始まらない。

秋田に来て、同じことを思う。それは何も、住む土地だけの話ではない。赴任前、高校時代の恩師が手紙で寄せてくれた一言の意味が、少しわかった気がする。その先生は、たしか高校の卒業の時にも、同じことを書いておられた。

「いつまでも、『志』を忘れず努力してください」